2006年06月26日

ジーコジャパン検証その1~選手編~

①選手構成

選手の構成は大体こんな感じになる。
(○は海外組)

レギュラー      リザーブ

GK川口       GK楢崎
DF宮本       DF田中
  中澤       MF駒野
  坪井         小笠原
MF中田英○      稲本○
  福西         小野(去年まで○)
  中村○        中田浩○(去年から)
  三都主        遠藤
  加地       FW鈴木○(今期から)
FW高原○        大黒○(今期から)
  柳沢(去年まで○) 久保
               玉田

実際の最終メンバーとは少し違う。
出場が多かった選手を中心にピックアップしてみた。

このチームで替えが利かなかった選手は
MF全員とセンターバックの宮本と中澤。
(アジアカップのみ例外)
つまり7人がほぼレギュラーが確定していて、
GKを除くと3人が入れ替わりが続いていた。

ただし、レギュラーのうち中田英、中村という
このチームの根幹といえる2人が国内のテストマッチ
には殆ど参加できなかったことで、この2人が
いるといないとチーム状況がガラリと変わってしまう
問題は結局最後まで改善されないままだった。

②得点力

次に予選とアジアカップ、本大会の得点者を並べてみる。
真剣勝負のみに絞ってチョイスしたところ上記三つとなった。

FW(15点)
玉田 5点
鈴木 3点
大黒 3点
久保 2点
高原 1点
柳沢 1点
(親善試合も含めたFWの総得点55点)


MF(17点)
福西 5点
中村 4点
小笠原3点
中田浩2点
藤田 1点
小野 1点
加地 1点
(親善試合も含めたMFの総得点44点)

DF(6点)
中澤 5点
宮本 1点
(親善試合も含めたDFの総得点11点)

親善試合も含めた得点数 72試合中114点 
上記3大会の得点試合  21試合中40点

内訳には格下が多かったアジア予選1次予選も含まれているので
一概には比較できないものの、FWに関しては玉田が大舞台で
それなりに結果を残していることをデータが証明している。
以下が福西、中澤、中盤の2選手と順が続いてることに関しては
2列目~2.5列目からの飛び出し、そしてセットプレー(中村+
中澤)が日本の有力な武器だったといえる。

逆をいえばFWの得点力は決して高くないことも見えてくるし、
福西、中澤という日本の有力な得点オプションが本大会では
殆ど機能しなかった。アジアカップでは中村のセットプレーが
強力な武器となったことを考えれば、中村と福西の不調が
チームに落とした陰は予想以上に大きかったのではないか。
中澤に関しては守備に専念しがちでオーバーラップが自重気味だった。
あのチーム状況では無理もないけれど。

中田英寿はこの4年間で2得点のみだし、両SBはどちらも中に
切れ込むタイプではない。柳沢は前回大会でも無得点に終わっており、
高原が真剣勝負で取った点はシンガポール戦の1点のみ。
このような背景を考えれば大量得点自体がそもそも難しいように思えてくる。

日本は以前からFWが集中的に点をとれているわけではないのは
以前から始まったことじゃない。フランスの時も城が叩かれたものの、
自国開催時は鈴木の1点のみでも誰も気にとめることはなかった。
前回だって中山の1点のみだったのに。そして今回も玉田の1点。
全く進歩はしてないのだ。

次に、親善試合でのホーム、アウェーでの得点内訳を見てみるとこうなる。
(アジアカップ予選、コンフェデ杯、東アジア選手権含む)

ホーム 38得点

FW
久保 5点
柳沢 4点
高原 3点
鈴木 3点
玉田 2点
巻  2点
佐藤 2点

MF
小笠原4点
遠藤 3点
三都主3点
小野 2点
中村 2点
福西 2点
松井 1点
稲本 1点
山田 1点

DF
宮本 2点
秋田 1点
松田 1点

アウェー 24得点

FW
久保 4点
高原 4点
柳沢 3点
玉田 2点
大黒 2点

永井
田中達

MF
中村 5点
中田英2点
三都主
小野

DF
中澤 2点
茂庭

こうデータで見てみるとジーコの序列は非常にわかりやすい。
FWの序列は久保→高原→柳沢→玉田となるし、
MFとDFの得点力は中村、福西、小笠原、中澤がずばぬけている。
遠藤と鈴木が使われなかったのはアウェーでの実績が殆どなかった
からではないか。

そして、どんなシチュエーションでも安定して結果を残してきた
久保竜彦の負傷がどれだけジーコにとって痛かったか。
怪我がちの彼を使い続けたことが結果として後に響く形となったものの
ジーコにとっては実績からする序列が最優先であり、怪我や海外組などの
事情を除けば序列の変更そのものが考えられなかったんだろう。

③守備力
親善試合も含めた無失点試合 72試合中34試合(失点数69) 
上記3大会の無失点試合   21試合中10試合(失点数18)

3失点以上の試合
03.06.08 キリン杯  1-4アルゼンチン(長居)
04.04.25 国際親善試合2-3ハンガリー(ハンガリー)
04.08.03 アジア杯  4-3バーレーン(中国)
04.12.16 国際親善試合0-3ドイツ(日産)
05.09.07 国際親善試合5-4ホンジュラス(宮城)
06.02.10 国際親善試合2-3アメリカ(アメリカ)
06.06.12 ドイツW杯 1-3オーストラリア(ドイツ)
06.06.23 ドイツW杯 1-4ブラジル(ドイツ)

1試合平均得点が2点に届かないチームの肝はやはり守備力の
はずなんだけど、失点も決して少なくはない。

ホームでの親善試合の失点 29試合25失点
アウェーでの親善試合での失点 22試合27失点

親善試合での戦績 ホーム 13勝6分9敗
             アウェー 8勝7分7敗
全ての通算成績   72試合37勝16分19敗

親善試合でも引き分けが非常に多いチームだったけれど、
失点はほぼ1点はとられることがわかる。
データを考えれば攻撃を常に優先したジーコの
考えは決して間違いではない。だからこそ、豪州戦のような
戦い方はこのチームにはキツかったといえる。

④まとめ 
メンバーがほぼ固定された中で彼らは前期は久保に
得点能力を頼り、彼が離脱後は中村のセットプレーを
中心として、FWは大黒と玉田。MFは小笠原。
そして実は福西や中澤の方が点をとるチームとなっていた。

本大会では中村の不調がセットプレーの点で相当の
ダメージとなってしまったが、前線の不出来を責めるのは
致し方ないとしても、元々のストロングポイントを
もう少し磨く方向にいってもよかったように思う。

元々このチームは1点を守りきれるチームではなく、
守りに入って瓦解した豪州戦のような経験がなかった。
そういう意味であの敗北は余所行きの戦いをした結果であり
悔やまれるところ。

そしてほぼ固定メンバーだったにも関わらず流動的な
連携などは殆ど見られず、豪州戦失点後のパニック状態や、
ブラジル戦での早々の足の止まりぶりなど、チームとしての
メンタル面の弱さも露呈されたのは残念だった。

選手としてほぼ安定したパフォーマンスを発揮できたのは
加地と川口くらいのものだった。いずれにせよ、
力を出し切ったとは到底言い難いものだったように思う。

投稿者 たか : 12:04 | コメント (0) | トラックバック (0)

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